EZナビウォークを試してみる

昨日の話になってしまうのですが、新しく買ったW21TEZナビウォークを試して見ることにしました。このサービスは「歩行者向けナビゲーションシステム」とでも言えるもので、自分が今いる現在地から目的地までの道順を地図画面と音声で知らせてくれると言うものです。

GPSシステムを利用したサービスなのですが、GPSは結構誤差が大きい*1と言う欠点があります。車でカーナビを利用されている方でしたら経験があると思いますが、カーナビなどでは時々現在地を示すアイコンがとんでもないところに行っていたりしますよね。車のカーナビの場合、方位や移動距離、あるいは地図情報などで誤差を補正しているわけなのですが、それでも時々誤った位置を示すことがあります。磁石もなく、移動距離も測定しづらい携帯電話で果たしてちゃんとしたナビゲーションが出来るのだろうか?そういう疑問(と言うか不安)を持っていました。

しかし、いろいろ調べて見ると現在のGPSは新しい技術のおかげで誤差がかなり小さくなっているようです。こちらに詳しく説明されていますが、DGPSという技術を使えば誤差数メートル、RTK-GPSという技術では誤差数センチになるということのようです。意外と性能がいいんですね。EZナビウォークもこの位置補正システムを応用して携帯向けに利用しやすくしたMS-Basedという技術を使い、かなり高精度な位置測定を高速で行えるようにしてあるそうです(詳しくはこちら)。

さて、GPSシステムの勉強はこれくらいにして*2、実際の使用感をレポートしてみましょう。今回、自宅から大学の往復の道のりをEZナビウォークにナビしてもらうことにしました。ちなみに自宅から大学までは約400メートル、徒歩で通っています。

さて、まずは自宅から大学まで。自宅と大学の位置情報はすでに登録しておきましたので、行きは「現在地から大学まで」のルート検索とナビをしてもらいます。ルート検索で出てきたルートは完璧なルート(普段通っている道と同じ)で、位置情報さえきちんと取得できれば徒歩のルート検索はかなり信用できそうです。ただ、その際携帯に表示される地図は自分が向いている方向を反映してくれない*3ので、地図を読むのがものすごく苦手な人は最初にどの方向に向かえばいいのか迷ってしまうかもしれません(多分大丈夫だと思いますけど)。

次に実際に歩いてナビゲーション機能を試してみます。移動中の位置測定もあまり大きな誤差もなくきちんと行われているようです。誤差は大体10メートル位でしょうか。実用上ほとんど問題ない誤差だと思います。で、ナビゲーションなんですが、曲がるところの100メートル前になるとバイブレーターが振動し、その後音声で「100メートル先右方向です」といった感じで道案内をしてくれます。後は、カーナビと同じように40メートル以降、10メートル刻みで同様の案内を行ってくれます。

ただ、この音声案内の音が小さくて、大通り沿いの歩道などではほとんど音が聞こえないんですよね。ポケットに入れているときはもちろん、手で握っているときですらあまりよく聞こえません。騒音が大きいところでは、携帯を耳の近くまで持ってこないと何を言っているのかよくわかりませんでした。

ただ、だからと言ってガイド案内の音声が大きければいいかというと、それもどうかと思います。携帯から突然「この先右方向です」なんて音が出るのを他人に聞かれるのはちょっと恥ずかしい感じがします。なんか、他人の目がすごく気になるんですよ、この機能。そういう意味では音はあまり大きくないほうがいい訳で、この辺難しいところですが・・・。

恐らく、このシステムの基本的な使い方は、ルート検索が終わったら携帯をポケットにしまうか手に持って歩き始め、振動が来た(曲がり角が近づいた)ら携帯画面で現在地と道順を確認するという方法なんでしょう。そういう風に使うのが一番ストレスがないと思います。また、曲がり角に近づくまでに同じ案内が何度も流れるわけですから、音が小さいせいで案内を聞き漏らしても次のときにまた聞けばいい訳で、そういう意味では音の小ささはあまり問題にならないのかもしれません。

まあ、こんな感じで帰りもナビゲーションをしてもらいましたが、思っていた以上に誤差も少なく、十分実用に耐えるシステムだと思います。行きは自宅から大学、帰りは大学の正門から自宅までのルート検索をしてもらったのですが、行きは大学の通用口から大学に入るルートを指定し、正門前から自宅へのルート検索では行きとは違うルートを指定するなど結構芸の細かいところ*4を見せてくれました。今回は徒歩のみのルートでしたが、電車などの交通機関を利用した場合の乗換え案内も含めたルート検索も行ってくれるみたいです。特に都市部で公共交通機関を利用して移動することが多い人には便利だと思います。また、ナビゲーションを利用しなくても、住所や電話番号などから目的地周辺の地図を検索してくれるなど地図代わりとして利用することも出来ますから、知らないところに行く人の場合には便利だと思います。

とはいうものの、今回は普段通っているルートでのテストでしたからEZナビウォークの真価を発揮したとは言いづらい部分もあります。やはり、こういうナビシステムは、まったく知らないところで使えてこそ価値があるわけです。今度の休みあたり、まったく知らないところにいってテストして見ようかな、と思っています。

*1:詳しくは後述しますが、GPSは位置補正を行わずに単体で利用した場合、30メートルほどの誤差が出るそうです。かつて、GPSアメリ国防省が軍事目的で開発した技術であることから、民間でこれを利用する場合わざと誤差が出るようにしていました。このときは約100メートルの誤差があったそうです。現在、アメリカ国防省はそのようなことはしていないそうですが、それでも地球の電離層の影響でどうしても誤差が出てしまうそうです。これをどう補正するかがGPSを利用する際の重要なポイントとなるようです。

*2:EZナビウォークのおかげで、GPSシステムの勉強をすることが出来ました。意外なところから新しい知識が得られるものなんですね。

*3:W21Tには磁石がついていないですから仕方ないんですけれどもね。他機種では磁石がついていて、自分の向いている方向を反映してくれるものもあるみたいです。

*4:大学は広いので、大学で最もよく行く地点を登録してあります。自宅からその地点に行くには通用口(学内の人間ですらほとんど使わないマイナーな出入り口です)を使うと一番近いのですが、正門付近から自宅に帰る場合には学内を通用口まで移動し、そこから自宅に帰るよりも正門から直接家に帰るルートを通ったほうが近いです。しかし、EZナビの地図はうちの大学の通用口の存在を知っていたのでしょうか?マイナー大学なんですけどねぇ、うち。もし、本当にうちの大学の通用口が地図に登録してあって、それであのルートを表示したんであれば、本当にすごいと思いますけれども、どうなんでしょう?