対中貿易が黒字に

職場から更新してみるテスト。なんか、職場で更新すると妙にどきどきしますね。

さて、今日のニュースで一番興味を持ったのがこれ。

対中貿易黒字に転換 上半期 巨大市場化裏付け(産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040825-00000016-san-bus_all

産業空洞化の元凶として、中国から日本への輸入の増加に目を奪われがちな対中貿易ですが、実は中国経済が発展していくにつれ、日本から中国への輸出も増加しております。で、この記事は、ついに対中貿易が黒字に転換した、つまり、「日本から中国への輸出」>「中国から日本への輸入」となったという記事なんですね。

中国というと、衣料品や食料品などを輸入する国、というイメージがありますし、また、日本の産業空洞化の元凶という捕らえ方をする方もいらっしゃるかと思います。しかし、この数字を見ると、今の中国は日本に一方的な輸出攻勢をかけてくる国、というわけではなく、日本にとっても大事な「お客様」になってきていることがわかります。

で、「お客様」中国は、日本からどんな商品を買っているかというと、中国では調達が困難な部品、鉄鋼やプラスチックなどの原材料、建設機械等、です。中国から日本への輸入品目は、デジカメ、パソコンなどの電子機械の完成品や食料品などです。つまり、今の日本と中国の貿易の状況を見てみると、日本は高度な技術を必要とする技術集約型の製品(部品)を中国へ輸出し、中国はその輸入した部品を用いて労働集約的な組み立て作業を行って製品化し、日本やその他の国々へ輸出している、という貿易形態が見て取れます。

ということで、いまや日本の最も重要なお客様となりつつある中国なのですが、日本の産業空洞化とまったく無関係かというとそうではないと思います。労働集約的な産業については、賃金面で中国との競争に太刀打ちできませんから、そうした産業はどんどん中国へ移転していくでしょう。そういう意味では、中国経済の発展は日本の産業空洞化の一因であるというのは間違いではないと思います。

しかしながら、一方で、高度な技術を必要とする製品を生産している企業は、中国経済の発展に伴って売上が減るどころか、むしろ旺盛な中国の需要に引っ張られて以前よりも売上が伸びる可能性すらあります。

やはり、今後日本が生き残っていく上で大事なのは、「技術」なのだと思います。もう、労働集約的な産業で他国と競争することは出来ないでしょう。これからの日本は「誰にも真似できない技術」を世界に売っていくことで生き残りを図るべきです。そして、それは日本なら不可能ではないと思います。