アンケート結果をどう読むか

民間の調査機関が行ったプロ野球1リーグ制に関するアンケート結果が公表されました。

プロ野球1リーグ制に「反対」、37%=「賛成」は7%−民間機関調査(時事通信
http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=sports&d=20040906&a=20040906-00020616-jij-spo

15歳から79歳の男女を無作為抽出してアンケートを実施するのはごく普通の手法ですね。プロ野球ファンの人も、そうでない人も偏り無くサンプリングすることで、国民の総意に出来るだけ近い意見を調べようということなのでしょう。世論調査とまったく同じやり方です。で、その結果なのですが、次のようになってます。

1リーグ制について、「大いに賛成」(2.9%)と「やや賛成」(4.1%)を合わせた賛成派は7.0%。これに対し、「やや反対」(13.6%)、「大いに反対」(23.2%)を合わせた反対派は36.8%だった。「どちらともいえない」は22.8%、「分からない」は32.3%だった。

さて、問題はこの結果をどう評価するかなんですね。一応賛成派が37%と反対派を大きく上回っているようにも見えます。記事の見出しはこの点を強調していますね。一見「国民の総意は2リーグ制」とのアンケート結果が出たようにも見えます。しかし、そう考えていいのでしょうか?

実はこのアンケート、賛成派・反対派共に過半数には達していません。それどころか、設問中最も回答率の高かった回答は「どちらともいえない」で、これに「わからない」を付け加えた「まあどっちでもいいや」派は、なんと55.1%にも達しています。

このアンケート結果、見方次第では「実は国民の過半数プロ野球が1リーグになろうが2リーグになろうがどうでもいいと考えている」、ということを示していることにもなります。実は、国民の多くは今回のプロ野球問題にあまり関心が無いのかもしれません。

もしそうだとするならば、このアンケートは非常にショッキングな現実をプロ野球界とプロ野球ファンに突きつけたことになります。「お前等が必死になってやってることなんて、半数以上の国民には興味が無いんだよ」って言われているわけですから。

ただ、プロ野球のことを真剣に考えた結果「どちらともいえない」との結論を出した人もいると思います。僕もプロ野球が好きですが、もしこういうアンケートがあったらそう答えるでしょう。

正直なところ、今のプロ野球が抱えている問題は「1リーグにするか2リーグにするか」なんていうことではないと僕は思っています。ですから、プロ野球ファンの中にも「どちらともいえない」と答えた人が一定数以上いると思います。

ですから、このアンケート結果が直ちに「国民はプロ野球に興味関心が無い」と結びつけるのは早計だと思います。しかし、一方で現在のプロ野球再編問題が、もはや一般的な国民の興味関心からかけ離れたところにあるという考え方が出来るという事実も、球団も選手もファンも考える必要があると思います。