ライブドア新球団設立の波紋

ライブドアが新球団を設立する用意があることを公表しましたが、当然のごとく球界からさまざまな反応が出ています。次の記事はセパ両リーグの意見がわりとよくまとまっています。

久万オーナー、ライブドアに再考求める 対面交渉前向き(スポーツ報知)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040820-00000039-sph-spo

これを見ると、巨人はよく分からないのですが、セリーグの各球団は新球団設立に比較的好意的な意見を持っているようです。これは、10球団1リーグになった場合、セリーグの各球団の収入が減少することが予想されますから、ある意味当然の反応かも知れません。

このあたり見ていくと、実はセリーグ側は1リーグ制を望んでいないということがよく分かります。おそらく、現状維持がベターであるとセリーグ側(の5球団)は見ているのでしょう。

しかし、パリーグの台所事情は違います。次の記事がそれを明確に物語っています。

ロッテ代表、新球団に“待った” パ6球団は経営上不可能(スポーツ報知)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040821-00000036-sph-spo

パリーグは現状の枠組みでは存続不可能であるとロッテの代表が述べているという記事。発言はロッテの代表ですが、この意見は「パリーグで一致した見解」であると述べている以上、他のパリーグ球団もほぼ同じように考えていると見ていいでしょう。

パリーグセリーグと違って、巨人との試合がありません。これは、収入面での影響も大きいのですが、何よりセリーグ各球団と比べメディアの露出が格段に少なくなってしまうということが球団経営を難しくしています。

メディアの露出が少なければ、いくらいい選手を取っていい試合をしても、なかなかファンは増えません。テレビで見たことの無い選手・知らない選手ばかりのチームを、高いお金を払ってわざわざ球場まで行って応援する、というのはかなりの野球好きに限られるでしょう。地上波での放映がほとんど無い現状では、パリーグの各球団が新規ファンを獲得するのはかなり難しいと思われます。

つまり、パリーグはいくら球団側が努力しても、ファンを増やして黒字化するということが構造上難しいのです。この点は、今の合併問題を考える上で忘れてはならない点だと思います。1リーグ制への移行というのは、自らのリーグを消滅させてでも何とかセリーグと同じ条件で球団経営をしないと最早やっていけない、というパリーグ側の悲痛な叫びでもあります。

ですから、12球団2リーグを維持しても、いずれ経営困難な球団が出てきて、今回と同じような問題が繰り返されるだけ、というのがパリーグ側の考えだと思います。

であれば、パリーグ側がライブドアの参入を認めるとは考えづらいところです。もし、ライブドアが本気でパリーグ参入を考えているのであれば、パリーグ全体をどのように盛り上げていくのか、その辺の方策もあわせて提示していかないと、パリーグ側の賛同を得るのは難しいでしょうね。