映画の宣伝

どのような商品でも、広告・宣伝戦略をどのように立てていくかは重要な問題です。たとえ良い商品であっても、その商品の存在が消費者に認知されなければ意味がありません。場合によっては、誰も知らない「最良の」商品は、誰もが知っている「最悪の」商品より売上が悪くなるかもしれません*1

広告・宣伝が重要なのは映画も同様です。しかし、映画の宣伝は難しそうですよねぇ。普通の商品なら、商品の特長を詳細に説明するということも出来るのですが、映画でそれをやってしまったら単なる「ネタばらし」にしかなりません。ネタばらしすることなく、映画の良いところをうまく消費者に伝える必要があります。

一時期、試写会に来た人に映画の感想をインタビューし、それを並べて放送するという手法のTVCMを良く見かけましたが、あれも正直食傷気味。映画評論家が「最高!最高!」と連呼するCMもありますが、あんなにいろんな作品を最高最高言っていて、その映画評論家の評価が落ちたりしないんでしょうかね。ちょっと心配だったり。

ということで、なかなか映画の宣伝は難しそう。でも、近日公開の映画で「信じられないような幸運」に恵まれて、効果的な宣伝をすることが出来た映画があります。

これがその記事。

公開目前あのホラー映画にやっぱり怪奇現象が…! (yahooムービー)

どういうことかというと、

10月2日公開の2本立てホラー映画「感染」(落合正幸監督)、「予言」(鶴田法男監督)に心霊現象が映りこんでいることが26日、わかった。

だそうです。

いやぁ、これはラッキーですよ!良かったですね、「たまたま偶然に」怪奇現象が起こって!ホラー映画ファンは心霊現象なんかにも興味がある人が多いでしょうから、「ちょっと見てみよう」なんて感じで映画館に行くんじゃないでしょうか!!すばらしい。

よく考えてみてください。もし、これが恋愛モノだったりしたら大変です。「愛している・・・」、「私もよ、ジョアン・・・」寄り添う二人、なんていうシーンの背後に不気味な心霊が「キェ〜!」とか言って映っていたら・・・。もう何もかもぶち壊しです。こんなのが編集作業中に見つかったら、もうスタッフ大パニック!!CG使って消すしかないでしょうが、面倒くさいでしょうねぇ。下手したら公開延期なんて可能性も出てきちゃう。

その点、今回はホラー映画ですから、そんな心配ないんです!!「偶然」心霊が移ってしまっていて、それに「編集中にたまたま気がついた」としてもですよ、ほっとけばいいんですよ!そのほうがお客も喜びますし、いい宣伝になります!!

いやぁ、ある意味「奇跡」ですよねぇ。変な「仕込み」のインタビューするよりもはるかに効果的な宣伝が出来るんですから。「たまたま」、「ホラー映画」に、「心霊が」映りこむ。こんな何万分の一か、あるいは何百万分の一位の確率の出来事が起こるなんて、奇跡以外の何物でもないですよ!(その割には、こういうことがよくおこるようなきがするなぁ、にやにや)

こんな「奇跡」が起こったことを、関係者の皆さんは神に感謝すべきだと思います。あと、せっかく出演していただいた心霊現象の人にはちゃんとギャラを払うべきだと思います。心霊とはいえ出演者。しかも、映画の効果的な宣伝に一役買っているわけですから。

ところで、広告代理店で、「心霊現象をあなたの広告活動に利用しませんか?」みたいなサービスはじめたら儲かりそう。なんかもうすでにありそうだけど。いや別にこのエントリーとは関係ない話なんですけどね。ええ。。。ええ。。。

*1:現に、ネット上では激マズの商品を笑うサイトがいっぱいありますね。また、糞ゲーマニアのような、変なものが好きって言う人もいますから、無名の良品より有名な粗悪品のほうが売れてしまうということが起こりうると思います。