今年一年を振り返る

多分、これが今年最後の更新となるので、月並みですが今年1年を振り返ってみようかと思います。

まず、今年あった変化の中で最も大きかったのは、4月から非常勤先が変わったことでしょうか。以前のところは、学生が100%留学生で、いろいろ苦労する面もあったのですが、初めて教えた学校であるということもあり、愛着もありました。学生、先生方ともに(基本的には)いい人たちばかりでしたので、結構気持ちよく仕事できていたんですね。

新しい非常勤先は結構大規模な専門学校でした。先生の数も多く、校舎も近代的だったのですが、先生の数が多いということもあり、みんな知り合いという感じにはならなかったですね。しかも、常勤の先生方はなんか忙しいみたいでピリピリとした雰囲気が教員控え室に蔓延しています。そういう意味で言うと、あまり好きな雰囲気ではないですねぇ、新しいところは。

一方、教える学生の中に留学生はいませんでした。変な話ですが、日本人に教えるのは初めてということで、これはこれで少し緊張しましたね。初めの頃は、話したことを何でもかんでも板書する(中国から来た留学生の場合、口頭で話すより漢字を板書したほうが伝わるんです)という癖が抜けず、ちょっと授業がギクシャクしてしまいました。授業内容も、専門とずいぶんかけ離れた内容で、冷や汗をかきながらの授業となってしまいました。最近ようやく落ち着いてきましたが、変な授業をして申し訳なかったなという気持ちは今でも持っています。

ただ、学生からは「○○チャン」と親しみを込めて(なのか小馬鹿にされているのか分かりませんが)呼ばれるようになり、その点ではよかったのかなぁ。こんなことを書くと怒られてしまうのかもしれませんが、僕が教えている学生さんたちは、高校の頃は「問題児」と呼ばれるタイプの人が多いようでした。しかし、彼らと話してみると、単に話を聞いて欲しかったり、かまって欲しかったりするだけなんですよね。で、授業中でも不正規発言をする。多分、高校だったらこれだけで怒られちゃうんでしょうね。でも、僕は授業中に発言してもらうのは大歓迎(授業と関係ないことでも)なので、かえってやりやすかったです。

学生「○○チャン、今日授業やめようよ〜」

僕「え〜、なんでそんな悲しいことを言うのさ(;_;)一生懸命準備してきたのにぃ。」

学生「だって、だるいんだもん。」

僕「まあ、そんなこといわずに、○○の話だけでもさせてよ。」

学生「え〜」

なんて会話が授業の前に展開されるわけです(汗。でも、授業を始めると割と静かに聴いてくれるんですよ。ノートなんか取っちゃったりして。かわいい学生たちです。用はかまって欲しいんじゃないですかね。こういうタイプの学生を頭ごなしに押さえつけようとするから反発されるんだと思います。それで問題児呼ばわりされたら、ひねちゃいますよねぇ。もともとはいい奴なんですから。

もちろん、押さえるところは押さえないと、ですけれども(その点僕はまだまだ甘いんですが)。

あと、今年初めて大学の大教室での講義を実施しました。200人位はいる大学の階段教室での授業はかなり緊張しました。ものすごい圧迫感があるんですよ。その一方で、学生との距離がものすごく離れているのも感じました。それまでは、小さな教室で多くても30人くらいを相手にする授業ばかりだったので、話しかけるような授業のやり方も出来たんですが、部屋が大きいとちょっと難しいですね。もちろん、やり方次第では大教室でもそうした授業を行うことが出来たはずなんですが、それをする余裕がありませんでした。

この大教室の授業で、パワーポイントを使って授業をするという試みも行ってみました。大きな教室で汚い板書だと見づらいだろうという単純な理由ではじめたのですが、これも結構難しかったですね。「ノートが取りづらい」という批判が結構出てしまいました。確かに、スクリーンに映すのは一瞬で、教師としてはクリック一発で表示されるので楽なんですが、学生はその内容を手書きで写さなくちゃいけないんですよねぇ。分量が多すぎたり、画面の切り替えが早すぎたりすると、ノートを取るのが追いつかないみたいでした。かといって、ノートを取るのを待っていると、授業が間延びしてしまう・・・。この辺、かなり改善しないと難しいのかなぁといった感じでした。

教えるほうの仕事はこんな感じでした。まだまだ落ち着かない、ばたばたとした授業を展開してしまっていますが、学生からの授業評価アンケートの結果が割と良かったのが救いでした。学生に受け入れられやすい、わかりやすい授業ができたという点では少し自信を持ってもいいのかな?と思っています。ただ、内容的にはまだまだ不十分です。分かりやすく、一方で専門学校や大学の授業にふさわしい高度な内容を出来るだけ多く、授業の中に取り入れていきたいですね。もっと努力しないと。

この日記でも時々原稿の話をしていますが、今年、僕が書いた文章が本として出版されました。名前は出ていないので(○○編著の形で出ましたので)ほとんどゴーストライターみたいなものなのですが、自分の書いたものが書店に並ぶのはちょっとうれしかったですね。大学院に入った当初、「本を書けるくらいになりたい」と思っていたのですが、ついに今年実現したわけです(ゴーストですが)。後でミスが見つかって冷や汗をかいたりしましたが。

仕事面はこんなところでしょうか。非常勤の仕事にしろ、原稿の仕事にしろ、すべて先生、大学院の先輩方など、いろいろな方から紹介してもらったものばかり。ずいぶんいろいろな人のお世話になったなぁというのが正直な感想です。助けられて生かされている、そんな印象を受ける一年でした。その分、僕はきちんと恩返ししなくてはいけないですね。

さて、プライベートのほうですが。今年もしょぼくれてましたねぇ。まあ、何度か旅行にも行きましたし、実家の友人とも会えたのでそれなりに良かったんですが、恋愛はさっぱり。ま、数年前に失恋したショックからいまだに立ち直ってないところがあり、いまいち恋愛には積極的になれないところがあるので仕方がないんですが。ただ、いい加減失恋のショックからも立ち直りつつあるので、来年は頑張って彼女見つけてみようかなぁ。

そうそう、このサイトを立ち上げたのも今年でしたね。8月からスタートしたわけですが、ネットで書くのって結構難しいな、というのが正直な感想です。この文章みたいにどうでもいいことならいくらでも書けるのですが、「他人が読みたいと思う文章」ということを考えるととたんに難しくなります。最初、ニュースに簡単な感想をつけて悦に入っていたんですが、「こんなことしていて何の意味があるんだろう?」と思い出してから、とたんに書きづらくなってしまいました。どうせなら、他人が読む意味があるような、独自の視点から物を書いてみたいんですが、実際にはなかなかそういう文章ってかけないんですよね。そういう意味では、今人気のblogを書いている人ってすごいなあと思います。もっと簡単に書けると思ったんですが、あまかったですね。

で、そうかと思えば、ヒステリック・ブルーで大量アクセスとか。ネットって難しい。でも、そういう経験が出来たという点では、このサイトを始めてよかったですね。

いろいろなことがありましたが、今年ももうすぐ終わりです。来年もいろいろなことがありそうな予感がします。へこたれずに、何とか乗り切っていこうと思います。

ここまでだらだらとした駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。良いお年を!