貯蓄のない世帯が全体の22.1%

貯蓄に関する調査結果が公表されました。

貯蓄減少世帯は47.7%、収入減で取り崩しが50%超(ロイター)

収入の減少が原因で貯蓄を取り崩したケースが多いらしく、47.7%の世帯で貯蓄が減少。また、貯蓄のない世帯も全体の22.1%に達しています。この調査では2人以上の世帯を対象としているので、あまり貯蓄に関心のない(と思われる)独身世帯は調査から除外されています。にもかかわらずこの数字。

もっとも、日本の貯蓄率減少は以前から問題とされているところであり、この調査はそれを裏づけする形となっただけ、とも言えます。経済に興味のある方なら「まあそうだろうねぇ」っていう程度の感想しか持たないでしょう。

日本の貯蓄率低下については昨年度版の『経済財政白書』でも論じられています。

経済財政白書 第1章(要アクロバットリーダー)

リンク先の「4 家計部門」というところで貯蓄率低下について触れられています(37ページ〜)。ここで貯蓄率低下の理由として挙げられているのが高齢化。高齢者は貯蓄を取り崩して生活する世代になるわけですが、高齢化によって国民全体に占める高齢者の割合が増加。結果として国全体の貯蓄率が低下しているというのが一つ目の理由。もう一つ、白書では、デフレに伴って資産の実質購買力が高まり、その結果貯蓄を取り崩して消費に回しているということも、貯蓄率低下の原因として挙げています。

また、今年の白書では、一時的に所得が増減しても消費行動が大きく変化することがないため、所得が減少する中で消費を一定に保とうとした結果、貯蓄が減少したという分析も行っています*1

いずれにせよ、「日本人は貯金好きで、たくさん貯金している」というのはもはや昔の話。今や日本の貯蓄率は、ドイツやフランスよりも低くなっています*2。ドイツ人はともかく、フランス人よりも貯蓄していないというのは意外な気もします。

しかし、よく考えたら僕の今の銀行口座の残高が8000円であるという現実もあり、このあたり、日本経済の動きと僕の預金残高にも正の相関があるのだなぁと感慨深いところであり、僕の貯金が増えない原因が日本経済の動向にあることを改めて再確認するところなのであります(←大間違いな推論)。

*1:平成16年度版経済財政白書、38頁参照

*2:平成15年度版経済財政白書、38頁参照。