日本産の果物を中国へ輸出する

昨日のFTAに関する話題のオチで、日本の農業について少し書きました。「高付加価値の農産物に特化すれば、日本の農業も外国産農産物に対抗できるのではないか?」。その考えは、そう間違ってはいなかったようです。

日本の果物を中国へ・上海の百貨店にコーナー(Nikkei Net)

中国の百貨店に日本の果物が並んだというニュース。中国からの安い農産物が大量に日本に入ってきているということは以前から話題になっていましたが、逆に今度は日本から中国市場に向けて日本産果物を輸出したんですね。

やはり、日本産の果物はかなり高価なようで、現地の約3〜10倍くらいの価格になるようですが、「日本のものは美味しい」、「贈り物には高いほうがよい」と評判は上々のよう。

もちろん、これは中国の富裕層向けの商品ということになるのですが、単に農産物は「高いから売れない」ということではないことをこの記事は物語っています。やっぱり、多少高くても、品質のよいものなら消費者は買ってくれるんですよね。特に富裕層は食に対して「高くても良いものを」買う傾向がありますから、この層に対して品質のよい農産物を販売するようにすれば、日本の農業にもまだ生き残る道はあると思います。中国人に日本産の農産物が売れるんですからねぇ。日本人に売れないことはないでしょう。

また、以前牛肉とオレンジの輸入自由化の際にも「日本の農家が大打撃を受ける」という反対意見がありました。が、今でも高級和牛は大人気ですし、みかん農家も全滅したなんて話は聞きませんね(以前より大変になったとは思いますが・・・)。

案外、日本の農業って貿易を自由化しても何とかやっていけるんじゃないでしょうか?もちろん、今までどおりのやり方ではかなり厳しいのですが、高付加価値商品に特化する、とか逆に大量生産にして安価な農産物を生産するとか、やり方を工夫すれば十分輸入品にも対抗できると思うのですが。

また、農産物が自由化は、消費者に大きな利益をもたらします。安い輸入品が買えるようになるのはもちろん、輸入品との競争により、日本産の農産物が以前よりも価格・品質両面で向上することが期待できます。高いけれど美味しい日本産を買うもよし、安い外国産を買うもよし、選択の幅が広まっていいと思うんですけどね。

この僕の考え方は、ちょっと楽観的過ぎるかもしれません。でも、変に悲観的になっていじけてしまうよりよっぽどましだと思うんですけどね。