サッカースタジアムのネーミングライツ
せっかく売り出したのに、申し込みがないと寂しいですよね・・・。
大分トリニータのホームであるビッグアイのネーミングライツ購入希望企業を募集したところ、期日が過ぎても申し込みがまったくなかったと言うニュース。担当者はさぞかしがっかりしていることと思います。大分トリニータは割りと観客動員数が多いチームだと聞いているのですが、それでも毎年2億円の赤字*1ということで、何とかしたいところなのでしょう。
しかし。正直なところ、これは難しいんじゃないでしょうか。
Jリーグは地域密着型のリーグ運営でそれなりの成功を収めていることは周知の通りです。しかし、今回のネーミングライツに限って言えば、この地域密着型のリーグ運営が裏目に出ている感じがします。
地域密着ですから、トリニータも地元では人気もあり、知名度も高いと思います。しかし、全国的に見るとどうでしょうか。Jリーグ発足当時からJ1で活躍している老舗チームと異なり、最近J1に上がってきたトリニータは全国的な知名度という点ではまだまだだと思います。
そのホームスタジアムに企業名が入ったところで、果たしてどれくらいの宣伝効果が見込めるのでしょうか。全国放送でトリニータの名前が出るのはスポーツニュースとサッカー番組くらいだと思います。しかも、その扱いもチーム数が多い関係で一つ一つの試合に長い時間をかけられません。多くの場合、試合の映像すら流れずスコアのみが他のチームと一緒に紹介されるといったところです。
つまり、全国的にビッグアイの名前が流れることはほとんどないわけです。仮にビッグアイのネーミングライツを獲得しても、その効果は大分県に限定されるでしょう*2。これでは、全国展開をする企業にとって、ビッグアイのネーミングライツを獲得する価値はほとんどありません。ビッグアイのネーミングライツは、大分県限定の地方CM位の効果しかないわけです。いや、下手をすると地方CMよりも効果が薄いんじゃないでしょうか。企業の名前が出るだけで、製品のアピールが出来るわけじゃないですから。
そう考えると、年間1億円というのは少し高いような気もします。僕はCMの単価はよく分からないんですが、大分県限定で1億円の広告費を捻出すると言うのは少し厳しいような気もします。
まあ、もう少し値段を下げればネーミングライツを買ってくれる企業も現れると思いますが、1億近くのお金を投入して大分県限定の広告を行う意味ってあるんでしょうかね。正直疑問だったりします。